ムコソルバン(一般名:アンブロキソール塩酸塩)
構造式
薬理作用
気道粘膜を潤滑にし、痰の粘度を下げてサラサラにして、痰を外に出しやすくする働きがあります。
本剤は肺表面活性物質(肺サーファクタント)の分泌促進作用、気道粘液の分泌促進作用、繊毛運動亢進作用により、喀痰喀出作用を示します。
肺サーファクタント分泌促進作用
肺サーファクタントはⅡ型肺胞上皮細胞で産生・分泌されるリン脂質を主成分とした物質です。肺胞の内側に存在する水の層による表面張力(肺胞の収縮)を減少させる働きがあり、気道の滑りを良くして、痰を排出しやすくします。
気道粘液の分泌促進作用
痰が出しにくい場合、気管腺・気管支腺に存在する漿液細胞よりも粘液細胞の働きが活発になっていて、気道分泌物の粘度が高くなっています。本剤は漿液細胞からの分泌を促進し、痰の粘度を下げる働きがあります。
繊毛運動促進作用
痰が出しにくい場合、痰が気道に引っかかり、排出されにくい状態となっています。本剤は痰などの異物を排出しやすくなる働きがあります。
適応
急性・慢性気管支炎、肺結核、じん肺、手術後などの去痰
用法用量
(15mg錠)1回1錠を1日3回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
(45mg錠)1回1錠を1日1回経口投与する。
ブロムヘキシンとアンブロキソール
アンブロキソールはブロムヘキシンの活性代謝物であり、共通の作用を有しています。アンブロキソールの方がサーファクタント分泌促進作用が強い性質があり、本剤は気道潤滑薬、ブロムヘキシンは気道分泌促進薬と分類されることがあります。