葛根湯
体力が中等度以上の比較的体力がある人で、風邪のひきはじめで、背すじ・首すじがこり、発熱して寒気や頭痛があり、熱はあるが熱は出ていないときに効果があります。肩こりや筋肉痛にも用いられます。
組成
葛根、麻黄、桂枝湯(大棗、桂枝、芍薬、甘草、生姜)
効能・効果
体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み
処方解説
本剤は体温を上昇させ、発汗作用を促す効果があります。発汗作用により熱を下げる効果があるため、カロナールなどのような解熱鎮痛剤と併用することは望ましくないと考えられます。また、発汗作用には体力が必要となるため、使用は比較的体力があるものでないといけません。インフルエンザなど高熱で体力を消耗している状態で使用するのは不適です。
発汗作用を示すのは葛根・麻黄で、頭痛、肩こりを改善します。芍薬・甘草の緊張緩和作用により四肢の筋肉痛をやわらげる効果もあります。本剤は、初期の風邪症状で使用されるのが一般的となっていますが、体を温める効果と緊張緩和作用により首や肩のこりにも使用されます。
大棗・甘草・生姜により胃腸機能を改善し、また、配合生薬の作用を調和する働きがあります。
使用上の注意
服用してはいけない人
生後3カ月未満の乳児
慎重投与
・病後の衰弱器、著しく体力の衰えている人
・著しく胃腸の虚弱な人
・食欲不振、悪心、嘔吐のある人
・発汗傾向の著しい人
・狭心症、心筋梗塞などの循環器系の障害のある人、またはその既往歴のある人
・重症高血圧症の人
・高度の腎障害のある人
・排尿障害のある人
・甲状腺機能亢進症の人
注意すべき副作用
・偽アルドステロン症
・ミオパシー
・肝機能障害、黄疸